求人サイトを作成するのはディレクトリやサブドメインでも良いの?

求人サイトを作成するのはディレクトリやサブドメインでも良いの?

──医療・介護業界の採用で失敗しないサイト構成の考え方

医療機関や介護施設で採用を担当していると、ほぼ必ず出てくる相談がある。

「求人専用サイトを作ったほうがいいのか」
「本体サイトの中に入れるべきか」
「サブドメインに切り出したほうがいいのか」

人手不足が慢性化している医療・介護業界では、
採用サイトの整備はもはや特別な施策ではなく、経営インフラの一部になりつつある。

ただし、ここで判断を誤ると、

・作ったのに応募が来ない
・更新されずに放置される
・結局求人媒体頼みのまま

という状態に陥りやすい。

重要なのは、形式の正解を探すことではない。
**「自院・自施設の採用目的に合った構成かどうか」**である。


■まず前提として:採用の成否はサイト構成では決まらない

最初にはっきりさせておきたい。

定着率や採用成功を左右する最大要因は、

・勤務条件
・人員配置
・教育体制
・夜勤・オンコールの負荷
・人間関係
・マネジメント

であり、
サイト構成そのものが結果を決めるわけではない。

ただし一方で、

👉 入社前に作られる「期待値」は、求人サイトの影響を強く受ける。

医療・介護業界では特に、

「思っていたより忙しい」
「人が少なすぎる」
「夜勤の負担が聞いていた話と違う」

こうした理由での早期離職が非常に多い。

その多くは、
仕事内容や現場実態が入社前に正しく伝わっていなかったことに起因している。


■ディレクトリ配下に作成する場合

例:

https://example.or.jp/recruit/

向いているケース

・法人サイトや病院サイトの評価がすでに高い
・「病院の理念」「診療方針」と採用を強く結びつけたい
・採用ページのボリュームがそこまで多くない

メリット

最大の利点は、既存ドメインの信用力をそのまま使えることである。

医療・介護分野では、
「どんな法人か」「運営母体は信頼できるか」が応募判断に直結する。

病院案内や施設紹介からそのまま採用情報に誘導できる構成は、
応募者の不安を下げる効果が高い。

注意点

一方で、

・採用ページが企業サイトの奥に埋もれやすい
・職種別ページを増やしにくい
・採用専用の情報設計がしづらい

という制約がある。

「とりあえず募集要項を載せる」だけの構成になると、
媒体との違いが出ず、結局効果が出にくい。


■サブドメインで作成する場合

例:

https://recruit.example.or.jp/

向いているケース

・看護師・介護士・リハ職・事務など複数職種を常時募集している
・採用広報(職員インタビュー、教育体制紹介など)を強化したい
・新卒・中途・非常勤を分けて運用したい

メリット

最大の強みは、
「採用専用サイト」として設計できる自由度の高さである。

・職種別ページを細かく作れる
・夜勤体制、教育制度、シフト例などを詳しく書ける
・現場写真や動画を増やせる

医療・介護業界では、
「入職後のイメージがどれだけ具体的に持てるか」が応募率に直結する。

その意味では、サブドメイン構成は非常に相性が良い。

注意点

ただし、

・検索評価はゼロから積み上げる必要がある
・更新を止めると一気に弱くなる
・運用担当がいないと形骸化しやすい

という現実もある。

実際、
「立派な採用サイトを作ったが、2年間更新されていない」
という病院・施設は少なくない。


■別ドメインで作成する場合

例:

https://example-career.jp/

向いているケース

・複数施設・複数法人を統合して採用したい
・グループ採用としてブランド化したい
・将来的に採用広報を強く展開する予定がある

メリット

もっとも自由度が高く、

・採用ブランディングを一から設計できる
・グループ横断で人材を集められる
・職種・地域別に拡張しやすい

という利点がある。

注意点(医療・介護業界では特に重要)

最大のリスクは、
**「信頼性が伝わりにくくなること」**である。

医療・介護職の応募者は、

・法人の実態
・病床数や利用者数
・医師・看護部長の顔
・運営歴

といった情報を非常に重視する。

別ドメインに切り出すと、
「この施設は本当に実在するのか」
「どこが運営しているのか」
が分かりにくくなり、応募をためらわれやすい。


■構成より重要なのは「医療・介護ならではの情報密度」

形式以上に重要なのは、
中身が医療・介護の現場実態にどこまで踏み込んでいるかである。

機能しない採用サイトの共通点ははっきりしている。

・募集要項だけ載せて終わり
・写真が古い、少ない
・夜勤・人員配置に触れていない
・教育体制が抽象的

逆に、応募につながるサイトには必ず次の情報がある。

・1日の勤務スケジュール例
・夜勤回数・体制の実数
・看護師配置基準、介護職員配置の実態
・新人教育の流れ(最初の3か月)
・離職率や平均勤続年数(書ける範囲で)
・向いている人・向いていない人

医療・介護業界では特に、

👉 「きれいな理念」より「現場の現実」のほうが信頼される。


■結論:構成は戦略、成否は中身

整理すると次の通りになる。

・法人サイトと一体で信頼性を重視したい
 → ディレクトリ配下

・複数職種・常時採用で運用を重視したい
 → サブドメイン

・グループ採用・ブランド化を狙う
 → 別ドメイン

ただし、どの形式を選んでも共通して言えることがある。

採用を決めるのは、構成ではなく「現場の伝え方」である。

誇張された「働きやすさ」は、
早期離職を増やす。

正直に書かれた「忙しさ」や「大変さ」は、
覚悟して残る人を増やす。

求人サイトの役割は、
人を集めることではなく、
合う人だけを通すフィルターを作ることなのかもしれない。


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