福山市でホームページ制作の相談を受けていると、福祉事業者から最も多い悩みは「人が来ない」ではない。
正確には、「問い合わせが極端に少ない」という問題だ。
求人媒体には掲載している。
ハローワークにも出している。
紹介会社にも依頼している。
それでも応募が増えない。
しかし現場を確認すると、原因はほぼ共通している。
求人そのものではなく、求人サイトの設計が止まっているのである。
■制作前の状況
「求人ページが存在しているだけ」今回の福祉法人も同じ状態だった。
法人ホームページは存在。
求人ページも一応ある。
だが実態はこうだった。
募集職種一覧のみ
仕事内容が抽象的
写真が施設紹介の流用
給与レンジが曖昧
働く人の姿が見えない
つまり応募者から見ると、「募集はしているらしい」しかし「ここで働くイメージが湧かない」
問い合わせが発生しないのは当然だった。
■ホームページ制作で最初に変えた点
“求人情報”ではなく“職場情報”にした福祉業界の求職者が知りたいのは条件ではない。
実際には次の3点だ。
人間関係
忙しさ
辞めずに働けるか
そこで求人ページを作り直す際、条件説明を増やすのではなく、次の要素を追加した。
1日の仕事の流れ
職員配置の実数
残業の実態
新人の教育期間
現場写真(演出なし)
結果としてページの印象は大きく変わった。
「募集ページ」から「働く現場の説明書」へ変わったのである。
■問い合わせ数の変化
公開から約2か月。
求人媒体の出稿量は変えていない。
それでも起きた変化は明確だった。
問い合わせ数:約2.3倍
見学希望:大幅増加
面接辞退:減少
特に変わったのは、応募前に見学を希望する人が増えたことだった。
これは福祉業界では非常に重要な変化だ。
見学が入る=離職リスクが下がる。
■福山市の福祉採用で起きている構造変化
以前は求人媒体が入口だった。
しかし現在は違う。
求職者は必ず法人ホームページを見る。
その時点で、「安心できる」「長く働けそう」「雰囲気が分かる」この判断が終わっている。
求人サイトは応募を集める場所ではない。
応募するかを決定する最終判断装置になっている。
■問い合わせが増える福祉サイトの共通点
福山市で成果が出ている福祉系ホームページ制作には共通項がある。
良いことを書かない。
現場のリアルを隠さない。
働く人を中心に構成する。
待遇や理念だけでは、もう応募は動かない。
求職者が見ているのは、「この施設で自分が続くかどうか」だからだ。
■まとめ
福祉業界において、求人媒体の差は年々小さくなっている。
一方で差が広がっているのが、法人ホームページだ。
求人サイトの良し悪しは、掲載費ではなく設計で決まる。
福山市でもすでに、ホームページ制作の段階で採用結果が分かれる時代に入っている。
問い合わせが来ないのは募集不足ではない。
職場が伝わっていないだけである。