■1. 応募は集まっている。問題は「その後」だった
製造業・工場・軽作業の求人は、
実は応募数だけを見ると悪くないケースが多い。
ホームページ制作の相談でも、最初に出てくるのはこの言葉だ。
「応募は来ているんです」
「でも、すぐ辞めるんですよね……」
1週間で来なくなる。
1か月持たない。
3か月でほぼ入れ替わる。
現場の問題、教育不足、人手不足――
そう片づけられがちだが、
制作側から原稿を見直すと、原因はかなり明確だった。
■2. 製造求人にありがちな“盛りすぎ表現”
実際によく見かける文言は、だいたい次の通り。
「誰でもできる簡単作業」
「未経験OK」
「黙々と作業したい方におすすめ」
「体力不要」
しかし、現実は――
・同じ作業の繰り返しによる強い単調さ
・立ち仕事、ライン速度による体力消耗
・人間関係は“黙々”では済まない
・ミス=即ライン停止のプレッシャー
つまり、
仕事が楽そうに見えすぎている。
期待値が高いまま入社し、
現実との落差で一気に心が折れる。
これが、定着しない最大の理由だった。
■3. ホームページ制作で見直した3つのポイント
◎①「楽さ」を削り、現実を先に伝えた
まず削ったのは、
「簡単」「誰でも」「ラク」という表現。
その代わり、あえて次を明記した。
・同じ作業が長時間続く
・立ち仕事が基本
・集中力が求められる
・慣れるまで身体がきつい
そのうえで、
・作業ローテーションあり
・無理なスピード強要なし
・現場リーダーが常に巡回
・休憩・声かけのルール明確
をセットで書いた。
「大変な点」と「支え」を同時に見せる。
これだけで、読み手の納得度が変わった。
◎② 向いている人・向いていない人を明示
製造業こそ、向き不向きが極端だ。
そこで、求人ページにそのまま載せた。
向いている人
・同じ作業を続けるのが苦にならない
・決められた手順を守るのが得意
・一人で集中する時間が好き
向いていない人
・単調作業が強いストレスになる
・動き回る仕事が好き
・変化がないと飽きやすい
→ 結果、
「とりあえず応募」が激減した。
◎③「未経験OK」の意味を言い換えた
「未経験OK」は便利だが、誤解を生む。
そこで、
未経験OK
= 仕事が簡単
ではなく、
未経験OK
= 研修とフォロー体制がある
と定義を文章で説明した。
・最初の1週間は横について作業
・一人立ちはチェックリスト制
・ミス時の責任の所在を明確化
“放り込まれない”と分かるだけで、
不安は大きく下がる。
■4. 公開後の変化
改善後、数字はこう変わった。
・応募数:減少(約6〜7割)
・面接辞退:大幅減
・1か月以内離職:ほぼ消滅
・3か月後定着率:明確に改善
応募数は減った。
だが、
採用コスト
教育コスト
現場の疲弊
は、一気に下がった。
■5. 現場責任者の実感の声
「正直、書きすぎじゃないかと思った」
「応募が止まるのが怖かった」
それでも公開後、出てきた言葉はこうだった。
「今回は覚悟して来てる人ばかり」
「辞めない前提で話ができる」
「現場の空気が全然違う」
■6. 製造(工場・軽作業)求人の本質まとめ
製造業の求人で大切なのは、
・仕事を軽く見せない
・単調さ・体力を隠さない
・向き不向きをはっきり書く
・未経験OKの“中身”を説明する
求人は、
人を集める広告ではない。
現場に合う人だけを通す、
最初のフィルターだ。
「楽そう」より
「自分に合っていそう」と思われたとき、
ホームページは初めて採用ツールとして機能する。