求人専用サイトを作成するとき、多くの企業が最初に悩むのが次の点である。
- 本体サイトとは別ドメインにするべきか
- サブドメインに切り出すべきか
- ディレクトリ配下に作成するべきか
結論から言えば、「どれでも絶対に正しい」という単一の答えは存在しない。
しかし、目的が“応募数”や“定着を意識した質の高い応募”であるなら、選択基準は明確になる。
■まず理解したい:検索エンジンは“何”を見るのか
求人サイト構成を考える時、多くの議論が「SEOに強いのはどれか」という方向に流れがちだ。
しかし検索エンジンは、構造そのものよりも次の要素を重視している。
- コンテンツの一貫性
- 専門性(求人情報としてどれだけ整理されているか)
- 更新頻度
- 利用者行動(滞在時間・直帰率など)
つまり、
- サブドメインか
- ディレクトリか
- 別ドメインか
という“箱の形式”よりも大事なのは、中身が求人に特化しているかどうかである。
■ディレクトリ配下に作成する場合
例:
https://example.co.jp/recruit/
◎向いているケース
- 企業サイトのドメインがすでに強い
- 会社案内との動線をつなげたい
- 採用情報が「企業ブランディングの一部」として機能している
◎メリット
- ドメイン評価を引き継げる
- 企業理解→求人応募への導線が短い
- 運用コストが低い
◎注意点
- 会社案内の一部として埋もれやすい
- 求人専用メディアほどの“特化感”は出にくい
- 職種別・事業所別の拡張性に限界がある
■サブドメインで作成する場合
例:
https://recruit.example.co.jp/
◎向いているケース
- 採用情報を独立したメディアとして育てたい
- 職種別・地域別にページが増えていく予定がある
- 採用広報やインタビュー記事も展開したい
◎メリット
- 求人専用サイトとしての“世界観”を作れる
- コンテンツ設計の自由度が高い
- 運用上は企業サイトと切り分けられる
◎注意点
- サブドメイン単体で評価を積み上げる必要がある
- 初期は検索流入が弱いことが多い
- 放置すると「使われない採用サイト」になりやすい
■完全に別ドメインで作成する場合
例:
https://example-recruit.jp/
◎向いているケース
- 採用ブランディングを別ブランドで展開したい
- 事業会社が複数あり採用を統合したい
- 将来的に採用メディアとして外部向けコンテンツを増やす予定がある
◎メリット
- 独立した採用ブランドを作れる
- 企業サイトの制約を受けず自由に設計できる
- 求人媒体としての拡張性が最も高い
◎注意点(ここが重要)
- ドメインの育成コストがかかる
- 更新を止めた瞬間に一気に弱くなる
- 運用担当が不在だと“空き家サイト”化する
■構成よりも重要なこと:求人の「情報密度」
どの形式を採用したとしても、採用に直結しないサイトが存在する。
その共通点はシンプルである。
- 募集要項が1ページで終わっている
- 写真がない
- 仕事が具体的にイメージできない
- 1年前から更新されていない
採用サイトが機能する条件は「情報量」ではない。
重要なのは**応募者が“働く自分を想像できるかどうか”**である。
具体的には以下の情報が鍵を握る。
- 1日の流れ
- 配属部署の人数・年齢層
- 入社後3か月のイメージ
- 向いている人・向いていない人
- 辞めた人の理由(書ける範囲で)
- 給与の現実的な例(モデル年収など)
■結論:形式は「目的」で決める
整理すると次の通りになる。
- 企業サイトの延長として採用情報を見せたい
→ ディレクトリ - 採用を独立コンテンツとして運用したい
→ サブドメイン - 採用をひとつの事業・ブランドとして育てたい
→ 別ドメイン
ただし、どの形式であっても共通していることがひとつある。
“箱”ではなく“中身”が応募と定着に影響するということだ。